小1の壁と小1プロブレム

2月もなかばを過ぎ、新入学を迎える方は勉強机やランドセル、学用品などがだいぶそろってきたことと思います。
「小学校へ上がるとだいぶ楽になるんじゃない?」
という親や職場の同僚からの型にはまったような問いかけに対して、
「そんなことないよ、『小1の壁』っていうぐらいなんだから」
と答えたことがある、あなた。

あらためてそれって何なの?と聞かれたときにちゃんと説明できますか。
また、小1プロブレムとの違いについて、英語と日本語の違いだと思っていませんか。
このエントリでは、その辺をちょっと整理して考えてみましょう。

育休後トーク 2011年2月26日(土)9:30-12:00 @横浜(終了)
   

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小1の壁とは

「壁」と呼ばれる課題は、大きく分けて二つあります。
それは、子どもの問題と、親の問題です。

子どもの問題

保育園に通わせている時は、朝連れていって夕方迎えに行くまでの間、子どもは完全に保育士さんの管理下にありますので、安心です。

ところが、保育園を卒園したとたん、その安心感がなくなります。
学校にいる間、学童保育にいる間は大人の管理下にありますが、登校時、下校時、学校から学童保育へ行く時、子どもは一人で行動することになるのです。

子どもの問題の大部分は、身の安全に関することです。
・朝、子どもを先に送り出すか一緒に出かけられるか。(=朝子どもが家に一人になり、最後に鍵をかけて家を出る、ということがないか。)
・夜、子どもより先に帰宅するかいっしょに帰って来られるか。
・家から学校、学校から学童保育、学童保育から家までの道がそれぞれ安全か。
・春休み、夏休み、冬休みに学童保育またはそれに準じる預け先があるか。
・何かあったときに助けを呼んだり親と連絡をとったりする方法を子どもが理解しているか。

これらに関連して、各家庭の家と学校と学童との距離、治安、歩道の有無、通勤時間、勤務時間、学童の預かり時間などにより、解決すべきことが異なってきます。

学童保育の選択肢が複数有る場合には、それぞれの特徴を考えてどれかに決めなければなりません。
子どもに家の鍵を持たせるか、携帯電話を持たせるか、なども迷うところです。

子どもの問題の残りの部分は、子ども自身の気持ちの問題です。
親がよかれと思って万全の体制を組んだとしても、子どもが気に入らないということがあります。
学校の先生やクラスメートとの相性、学童保育の指導員や他の子どもとの相性。
保育園の時と異なり、子どもは成長しているため、その意思を無視することはできません。

もちろん、子どもの言いなりになる必要はないのですが、我慢させるにしても何らかの対策をするにしても、ケアしてくれる人に相談したり調整したりしなければならないので時間がかかります。
子どもに納得させるためにも、時間をかけて話をする必要があります。
納得させる、というプロセスはとても大事であり、親が働いているかどうかは全く関係ありません。
しかし仕事を休みたくないばっかりに、問題を深刻にとらえたくないという気持ちが態度に現れてしまうことがあります。
早く簡単に解決しようとすると、問題を長期化させることにもなりかねませんので、じっくりと子どもの話を聞き、最善を尽くすことが大切です。

おまけですが(これは意外に大変)、子どもは親の予期しない行動をします。
学童に行くはずなのに、友達の家へ遊びに行ってしまったり、鍵を持っていないのに家に帰ってきてしまったり。

仕事中に連絡が来たり、帰ったらいるはずの場所にいなかったりするので、すごくあわててしまいます。
小1のうちは考え方がまだまだ論理的ではありませんので、「なんで?」というようなことをするんですね。
これは、親子ともにいろんなことを学ぶよい機会ですので、もしそういうことがあったら、叱るよりもよく話を聞いてあげて、よかった行動、よくなかった行動について話し合うことが大切です。
迷惑や心配をかけた人がいたら、お礼とお詫びをひとこと言いましょう。

子どもの自己主張、予期せぬ行動、これらは実は問題ではなく、子どもの成長そのものではないでしょうか。
子どもが何か新しいことを「しでかす」たびに、こんなに成長したんだ、と喜べるようになりたいものです。

親の問題

まず、親が出席すべき会合や行事がほとんど平日の昼間行われるため、仕事を休まなければならないことが問題です。
すべてに出る必要はありませんが、保育園と違って学校の様子は行ってみないとわからないことが多いので、特に1年生のうちはなるべく出たほうがいいのです。
この調整が難しいです。

次の問題は、親同士の関係作りです。これについては、別エントリですでに書いていますのでそちらをご覧ください。
ママ友がいない小学生ママへ | 育休後コンサルタント.com

最後に、学校へ持っていく持ち物の用意が間に合わないことがあります。
これは、小1の壁とはちょっと違いますが、実際に何度か夜中に買い物に走ったことがあるので、おまけです。
予防方法としては、たいていの持ち物は学年だよりなどで前もって知らされているのでお手紙を見逃さないこと。(ランドセルの中にくちゃくちゃになって入っています。)

また、クラス懇談会の時に先生から連絡があることもあるので、なるべく出ること。
この2点でほとんど防げます。

追記:なお、誰にも当てはまるわけではありませんが、小1の壁を全体的に軽減するおすすめの対策があります。
それは、パパかママ、メインで子どもの世話をする人の職場の近くに引っ越すことです。
職場と家が近いということは、職場と小学校とも近いということ。
仕事を抜け出して授業参観をしてすぐ戻るといったことが可能になります。
条件が整いそうな方は早めにご検討を。

小1プロブレム

これは、小学校に入ったばかりの子どもが授業中に座っていられなかったり、人の話を聞けなかったりするなど、集団生活になじめず落ち着かないことです。
幼稚園卒、保育園卒の区別はありません。
万が一、子どものクラス、学校でこういった問題が起きたとしても、普通は半年ぐらいで落ち着いてくるのであまり心配はないと思います。
ただし、自分の子どもの様子が落ち着かない場合は、先生の指導に従って家でも気を配る必要があるでしょう。

育休後トーク

さて、ここまでで、小1の壁、小1プロブレムについてイメージはつかめましたか。
ここまできてお気づきの方も多いと思うのですが、小1の壁の実態は、一つ一つの家庭、一人一人の子どもによって千差万別です。
そのため、たとえ同じ小学校、学童に通っていても、同じ会社に勤めていても、その人の解が自分の解とは限りません。

小学校に上がる子どもと親である自分にとって、何を一番大切にしなければならないのか。
2/26の育休後トーク 〜小1の壁なんてこわくない〜 では、ここに書いたようなことと、地域の学童保育/放課後キッズの実態をご紹介した後、参加者同士で、自分の考え、迷っていること、聞いてみたいことをシェアしていただきます。
考えを言葉にして人に伝えることで、あらためて自分の気持ちに気づきますし、ほかの参加者の考えが自分にとって参考になることもあります。
小学校はまだ先だという方も、ぜひご参加ください。
育休後トーク 2011年2月26日(土)9:30-12:00 @横浜(終了)

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