「社会保障と税の一体改革」について、NPO法人ファザーリング・ジャパンの会員が説明を聞き、質問することができる場があり、出席してきました。
第1回目は、財務省からの提案で、4月にNPO法人ファザーリング・ジャパンの事務所で行われ、そのときは出席できませんでした。2度目が行われるということで、参加することにしたのです。
ファザーリング・ジャパンからの参加者は、社会人10人、学生3人の13人。男女別では、男性8人、女性5人でした。
実は自分自身「なぜ消費税を増税するのか?」という疑問すら、持っていませんでした。
財務省の方が改革の背景と必要性をパワーポイントの資料に従って説明してくださるのを聞いているうちに、この改革について思考停止になっていた自分に気付きました。
なぜ所得税や法人税ではなくて、消費税なのか。
その結論に至った理由をあらためて聞いていると、特別難しいことでもなくよく理解できる。
それなのに、昨日の意見交換会の前までは漠然と「物価が高くなったらいやだなあ」と思っていただけ。
自分の問題として情報収集し、考えよう、という姿勢がなかったのです。
有権者として、親として、国民として、自覚が足りないことこの上ないですね。
テレビ、新聞、ネットでいろいろ報道され、解説者が解説していたとしても、こちらに聞く耳がないと情報は全く入ってこないのだ、ということを改めて感じました。
これまでの制度は1960年代の人口構成、社会状況に合わせて作られたものであって、今の時代には合わない。
国としての新しい世の中のあり方、ビジョンが必要である。
新しいビジョンがどうあるべきかは、国民全体で議論し、コンセンサスを得る必要がある。
しかし実際にはわたしを含めて無関心な人が多い。
国民全体を巻き込むことの重要性と難しさ。
財務省総括審議官の佐藤さんは、これを打開するためにファザーリング・ジャパンの力を借りたいのかな、と思いました。
さて、私自身は今回の意見交換会に
「働く意欲のある女性の労働力を、子育て世代の女性労働力も含めてもっと有効に使うべき」
という主張を持ってのぞみました。
増税された場合、社会保障の充実に2.7兆円が使われる予定で、そのうち0.7兆円が子ども・子育てに使われることになっています。その具体的な項目の中に、
・地域子育て支援拠点の充実
というのがありました。
私は、地域の子育て支援拠点が、母親の就労準備のための情報提供拠点としての役割も持つべきなのに、今その役割を十分果たせていないと感じています。
出産で仕事を辞めた女性は、時期にずれはあるものの、ほとんど全員が子どもが幼稚園や小学校へ入るタイミングで再び何らかの形で就労しています。M字カーブの右側の山の高さは、左の高さとほとんど同じことからもわかります。
ところが、実際には過去の就労経験や能力に見合った仕事につくことができなかったり、税や保険料を優遇される103万円の壁、130万円の壁を超えないために家族や自分の判断で仕事をセーブしたりしています。
女性労働者が出産しても仕事を辞めずに全員が育児休業を取得して復職できればそれでもよいのですが、その実現を待っていては今働き盛りの女性の労働力を活かせなくなってしまうので、なんとかならないのかなあ、と常々思っていました。
そこで、地域の子育て支援拠点の充実の中に、子育て支援拠点と就労支援(マザーズハローワークなど)との連携強化を検討してほしい、という意見を言ってみました。
この意見に対してダイレクトな回答は得られず、ただ、女性の能力活用については計画している、という回答がありました。
ここで言っている「女性の能力活用」はおもに企業における取組みであり、出産で辞めた人はその対象に入っていない可能性が高いと感じましたが、それ以上その場で突っ込むことはしませんでした。
自分の主張以外の観点で再認識した点は以下の通りです。
・地方の抱えている問題は根深い。
・法律を作る人と、それを執行する人との間にギャップがある。
・市民が官僚の方たちとじっくり話をする機会はもっと必要だ。
今後とも、独りよがりにならず、それぞれの立場の人に自分の意見を聞いてもらい、本来あるべき姿を追求していかなければならないと思いました。