ママさん飛行士と呼ぶのをやめてもらえると、ありがたいのですが

2010年1月9日(土)朝日新聞be on Saturdayのフロントランナーに、宇宙飛行士の山崎直子さんが登場しました。
記事はタイトルにも引用したこの発言で始まっています。
「みなさん、私をママさん飛行士と呼ぶのをやめてもらえると、ありがたいのですが」
昨年3月、アメリカのヒューストンであった記者会見の終わりに立ち上がって発言したそうです。
これを読んで、頭に浮かんだのがピアニストの辻井伸行さんのことでした。2009年6月7日、アメリカで開催されたヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールにて優勝した彼は、過熱する報道に対して自分のことを盲目のピアニストと呼ばないでほしい、と言ったのです。
二人とも、ママさんであることや目が不自由であることを隠したいわけでも不満に思っているわけでもなく、むしろ誇りに思っていることでしょう。しかし、とかく私たちは、宇宙飛行士やピアニストといったプロの領域で腕をみがいている彼らに、「ママさん宇宙飛行士」、「盲目のピアニスト」といった、レベル的に劣っていても許されるかのような別のカテゴリを押し付けてはいないでしょうか。
山崎直子さんは記事の中でこうも言っていました。
「たまたま私は飛行士ですが、誰でも、仕事と家族の兼ね合いや、転勤、介護で悩むところは同じ。我が家の場合、国をまたいだりしてこれらが凝縮した形で出たんです」
宇宙飛行士としての山崎さんの仕事について話すときには、「ママさん」ぬきで。そして、そんな山崎さんとはどういう人物なのかという点にフォーカスをあてるときは、家族との関係についても耳を傾け、参考にし、共感したいものです。
関連ブログエントリー:女性飛行士宇宙へ

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