タイトルからして元々興味があった本ですが、ポプラ社さんから献本していただき、さっそく読みました。
女性同士って、無意識のうちにお互いを観察し、格付けし合っている。。。
言われてみれば、そういうことはありますね。
この本では、女同士が見えない線引きによって小さなカーストに分かれ、その中でもさらに格付けし合っている様子が描かれています。
例えば、こんなカーストが紹介されています。
「ママカースト」
「恋愛・婚活カースト」
「女子大生カースト」
「オフィスカースト」
「ママカースト」
これについてはうなずけることばかりでした。
専業主婦のママ達の「ママカースト」内の息苦しさを、著者はこう説明しています。
自分の武器で戦えないこと、評価されないこと
「夫や子供」という代理戦争になってしまうこと
ドラマ「半沢直樹」に出てきた、銀行員の妻たちの集まりはまさにそれでしたよね。
たとえ自分の武器(例えば仕事)で戦えたとても、強くなかったらやはり辛いわけです。
ただ、自分自身のことだから、努力次第では強くなるし、負けたときには潔く弱さを認めることもできる。
思うままにならない夫や子供頼みでは、そんなふうに割り切れるものではありません。
ここでいう自分の武器とは、仕事じゃなくても「キャラ弁作り」や「タレントの追っかけ」でもいい。
どんなに小さくても、自分だけの評価基準で楽しめる世界をつくることが、ママカーストから抜け出す一つの方法。
これは、今すぐ仕事を武器にできないママでもチャレンジできる、素晴らしいアドバイスだと思いました。
「オフィスカースト」
これには、さまざまな要素がからみます。
正規/非正規、一般職/総合職、子供がいる/いない、短時間勤務/通常勤務、などなど。
最近増えているワーキングマザーにも、さまざまな働き方、考え方の人がいます。
実は、以前私がセミナーなどで紹介した「育休後の四つのタイプ」という分類が、オフィスカーストの章(p.149)で紹介されています。
その四つとは。。。
・バリキャリ ・意欲>期待
・意欲<期待 ・マイペース
これを白河さんが私の公開しているスライドの中から見つけて、採用してくださいました。
(そのご縁で、献本をいただいたわけです。)
いずれにしても、オフィスでの女性社員同士の対立は、仕事の効率を下げるもとになりますし、本来なくすべきものです。
それに対して著者の考えは明快です。
上司が放置しすぎているのが問題である。
子供を持つ女性にどうやって仕事を割り振ればいいのか、考えるのは上司の仕事。
カバーしている周囲の社員にどうインセンティブを与えればよいのか?なども検討が必要。
上司と本人への研修が必要である。
まさに、私が現在取り組んでいる企業向けのサービスの正当性が認められたようで、とてもうれしく思いました。
女子カーストから抜け出すには?
各層の女性たちへの丁寧で膨大な量の取材をもとに書かれたこの本は、現代の女性同士の関係をとてもよく表していると同時に、今後の進むべき方向をとてもわかりやすく示してくれています。
女子カーストを抜け出す三つのカギ。
女子カーストの先にあるもの。
女性が格付けをやめ、互いにつながったときに広がる世界とは。
未来に希望が持てる気がしました。
女性同士の付き合いに難しさを感じているすべての方に、おすすめしたい本です。