育休後職場復帰セミナーをはじめて10年間の変化とは?

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育休後職場復帰セミナー10年の変化

社員研修として育休後職場復帰セミナーを始めたのは
10年前でした。

当時は、対象者は暗黙の前提で女性であり、
実際の参加者も女性だけでした。

しかし、年々男性の参加者が交じるようになってきました。

最初は、男性が一人参加することがある、という程度でした。

それが次第に、毎回1人以上は参加する、というように変化してきます。
1人の参加者が出た会社は、それが少しずつ増えるように。

今年になって、4分の1以上が男性、という回があり、大きな変化に感慨深いものがありました。

男性の育休取得者の気づき

男性のセミナー参加者の発言で、それが気づけたのはすばらしい!と思ったことがありました。

その人はこう言ったのです。

「産前休暇、出産、産後休暇、育休、育休復帰という経験をした女性の気持ちがわかるようになった」

つまり、これまでは、時間の制約なく働ける社員の代表のように思われてきた、20代から40代の男性が、育児をしながら働くというのはどういうことかを、実体験をもとに心の底から理解できた。

そして、自分も、そちらの働き方に変わっていかざるを得なくなった、ということなのです。

わざわざ、

「育児をする部下を支援するための管理職向け研修」

といった研修を受けるまでもなく、自然と育児との両立をしている社員の状況や想いを理解できる。

さらにその延長で、介護との両立や、その他のケア責任との両立に対する理解が深まる。
そして、さまざまマイノリティの社員を理解できる人が増えていくことにつながります。

もちろん、体験しなくても、学んだり人から聞いて想像力を働かせたりして理解できるはずだ、という方もいるでしょう。
しかし、想像力には個人差があります。
自分が経験したり、間近で見ないと理解できないことも、まだまだ多いのです。
乳幼児の育児経験はまさにそれに該当すると思います。

育児介護休業法改正への期待

来年の法律改正をきっかけに、男性の育休取得者、そして育休復帰後も制約のある中で働く人が増えることになるでしょう。

それによって、職場の多様化(ダイバーシティ)が進み、同じ速さで多様性の受容(インクルージョン)が実現していくことが、とても楽しみです。

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この記事を書いた人

育児をしながら働く人と組織を支援。
育休後アドバイザー養成、育休後カフェ企画、育児中社員 and/or 管理職向けセミナーを実施。
青山学院大学の青山・情報システムアーキテクト育成プログラムADPISA企画運営。
同大学の博士後期課程在籍。

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