育休後に、自分の意思とは関係なく仕事を変えられて不満に思っていませんか。
または、同じ仕事なのに前ほど成果があがらず自分自身がふがいなく感じていたり、周りから厳しい目で見られてつらく思っていませんか。
それが理由で仕事をやめたくなったり、投げやりになったり。そんな人をたくさん見てきました。
気持ちはよくわかります、でも育児と仕事でいっぱいいっぱいの数年間は、新しいことに挑戦するのは難しい時期ですよ。
わたし自身も、もともとソフトウェアの設計をやっていたのですが、育休後は設計そのものではなく、設計の職場の中で生じるさまざまな付帯業務を担当しました。
正直、設計をやっていたときは、設計をやっている人が会社を支えている、と自負していました。
しかし、いろいろ担当するうちにそうではないことがわかりました。ものを作っても、それだけでは何の価値にもならない。契約に携わる人、出荷に責任を持つ人、製品の情報をお客さんに伝える人、いろいろな人がそれぞれの分担をきちんとやってこそ売れる。そういうことが本当の意味で理解できました。その時期に会社の中のいろいろな仕事を知ることができたことは、貴重な経験として今でも生きています。
自分がやりがいを感じていた仕事からはずされても、その職場にいさえすればビジネスの臨場感や世の中の動きを常に肌で感じることができる。
最前線から離れても、隣の人が、隣の職場の人が、同期の友だちが、最前線でホットな仕事、その会社の基幹ビジネスにたずさわっていれば、いろんなことが耳にはいってくるし、いつでも生々しい話が聞ける。それだけで、その場から離れてしまうのとは大きな差がつきます。
職場で自分の実力が思うように発揮できない状況はつらいに決まっています。でも、今は我慢のしどきかもしれません。どんな仕事に携わっていても、費やした時間は必ずそれだけの意味があるとわたしは考えます。低空飛行でもいい、仕事を続けていれば、5年後、10年後に自分のことを考える余裕ができたときに、勉強を始めてみたり、社内で責任のある仕事に手を上げてみたり、社内で異動の希望を出してみたり、転職を考えてみたりすることがきっとできます。
だから、不満があってもそこから抜け出せない自分を責めないでください。明るい顔で、与えられた仕事を一生懸命やることが、きっと明日につながります。