待機児童対策としての育児休業期間の延長に反対します

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待機児童問題について取材を受け、記事にしていただきました。

「(教えて!待機児童:10)識者に聞く 育休延長なら、夫婦とも取得義務化を」

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育児介護休業法が改正され、平成29年10月1日より育児休業期間が延長されました。

「子が1歳6か月に達した時点で、保育所に入れない等の場合に再度申出することにより、育児休業期間 を「最長2歳まで」延長できる。」

<参考サイト:育児介護休業法改正について>
【平成29年10月1日施行対応】育児・介護休業法のあらまし
平成29年改正法の概要[670KB]

私は、保育園の待機児童対策として育休期間を延長することには反対です。

なぜかというと、今の状況では育休を取得しているのはほぼ女性であり、これを単に延長することは女性の職場復帰を遅らせることに直結するからです。

<参考サイト:女性、男性の育児休業取得率>
平成28年度雇用均等基本調査(確報)

育休取得によるブランクを埋めるための本人及び職場の負担は今でも大きなものですが、育休延長によりそれはさらに深刻になります。
せっかく育休後の女性社員の活躍が実現可能になりかけて来たのに、

個人的にも全身全霊をかけてそれを仕事にしてやってきたのに、

それに水を差すような法改正には、本当にがっかりしました。

ただ、育休を夫婦の両方が取ることを義務化するなら、話は少し違ってきます。
男性の育休が珍しくなくなってきた今のタイミングなら、クオータ制に踏み切ることも可能かと思います。
これが実現すれば、育児中の社員には男女の別なくサポートが必要という認識が周知され、女性だけが不利ということはなくなっていくでしょう。

いずれにせよ、優先順位が高いのはは待機児童をゼロにすることです。
出産後の就業継続率は急増を続けていることから、保育園の定員の目標を適切に予測して直ちに確保しなければ、育休を延長しても保育園に入れる保証はないのです。

<参考サイト:出産前後の就業継続率>
第15回出生動向基本調査
第Ⅱ部 図表II -4-6 子どもの出生年別にみた、出産前後の妻の就業変化

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