男性の育休取得率はなぜ伸びないのか
法人向け研修で育児と両立している社員への講義を依頼される場合、
育休取得経験のある男性社員が参加することが増えてきており、頼もしく感じます。
そんな中で男性社員から聞こえてくるのが、育休取得へのハードルです。
- 育休を取得しなければならない理由を述べよ、と言われた
- 取得したが、男性ばかりの職場の中で取得の必要性を理解してもらえない
- 取得したいがキャリアに傷が付くのではと不安で踏み出せない
男性の育休制度があるのに、取得率が上がらないのにはこんな訳があったのですね。
ちなみに、女性で育休取得理由を聞かれた、という話は聞いたことがありません。
男性にだけ取得理由を聞くなんて、なんだかなあ、潔くないなあ、と思ってしまいました。
働き方改革のカギを握る育休パパ
一方、こんなプレッシャーを乗り越えて育休を取得した男性たち。
復帰してからは、仕事に取り組む覚悟ができ、以前より積極的に仕事を取りに行ったり、周囲に質問をしたりするようになったとのこと。
また、仕事と育児の両立に対する理解が得られるように、周囲と良好なコミュニケーションを心がけているそうです。
こういう実例を見ると、男性の育休取得は職場にメリットももたらす可能性が大きいことがわかります。
管理職の方は部下の男性には必ず育休をとるようすすめてはいかがでしょうか。
育休取得に忖度は不要!勇気を持って取得しよう
なお、育休取得に不安があるという男性に対して、別の社員から、1年間育休を取ってから課長になった人がいますよ、という紹介がありました。
九州大学の研究グループは、20代~40代の男性の多くは「男性の育児休業」を肯定的に捉えているにもかかわらず、同年代の他の男性が抱いている「男性の育児休業」に対する考えを実際よりも否定的に思い込むことが、育児休業の取得を抑制していることを明らかにしました。
男性の育休取得を阻んでいる一因とは?~間違った思い込みから生まれる心理的壁~
育休取得を考えている男性の皆さん、もしかすると、周囲の人は自分が思うほど育休をとることに否定的ではないかもしれません。
まず、政府は2020年に男性の育休取得率を13% にするという目標を立てていますし、企業もそれに協力することになっています。
また、女性はすでに多くの人が育児休業を取得し、復職して引き続き勤務しています。
お子さんを持つ予定のある方は、勇気を出して育休取得を申し出てみてはいかがでしょうか。
妻の妊娠がわかった時点から上司に相談し、取得時期、取得期間、仕事の引き継ぎ計画を立てることで、職場の負担が軽減され、快く送り出してもらえるようになるはずです。
そして、生まれたばかりの子どもの世話に集中することは、それまでの人生とは全く違う何かをもたらしてくれるに違いありません。
がんばれ、育休パパたち。