(3)からの続きです。
9月26日にJR浜松町駅北口で待ち合わせ、近くのタリーズでお話をうかがうことに。
松山市から来られたTさんは、ワークショップの企画書の案を持って来ていました。
(このブログでは、オリジナルの言い回しや箇条書きの順番を多少変更し、整理し直しています)
目的
・悩みを共有し、解決方法を自ら考え出す
・先輩ママの話を聞き、工夫した点を参考にする
・タイムマネジメント、短時間勤務制度、コミュニケーションスキルについて学ぶ
・次回のワークショップ事務局となる
・次の復帰者のメンターとなれるようにする
内容(150分)
・グループでの意見交換
・先輩ママの体験談
・講義(コミュニケーションスキル、短時間勤務制度について)
参加者は8〜10人の復帰者。
先輩ママの体験談と講義のセッションでは子どもがいない若い社員の聴講も想定しているとのことでした。
さらにワークショップ開催時の問題点と悩みが書かれていました。
誰もが共通して感じる課題と思われますので、ここで共有します。
(1)内容と進行についての不安
- 意見交換時に愚痴ばかりにならないか
- 質問がまったく上がらなくてグループワークが進行できないのでは
- 復帰者(=受講者)の参加目的は何なのか(開催者と受講者のずれが発生していないか)
- 同じ悩みを共有できたとしても、このワークショップで何が提供できるのかはっきりしない
- ワークライフバランスについても合わせて考えてほしい
(2)ワークショップ以外での育休&復帰者のサポート
- 育休中のコミュニケーションは必要か?(SNSがあったがまもなく使えなくなる)
- ワークショップ後のフォローが必要だと思うがどうしたらよいか
- 個別の相談を受けても、スキルがないため上手に対応できないのではないか
- よき相談者となれるようなメンタル面のカウンセリングを勉強できる書籍はないか
(3)当事者以外の社員への働きかけ
- ワークショップの提案に対して反対する人がおり、必要性を理解してもらいたい
- 復帰者以外の人の一般社員の理解も深めたいがまったく手が付けられていない
(1)については、内容がしっかりしているのでそれほど心配することはないのでは?とお話しました。
(2)の、育休中のコミュニケーションについては有料のプログラムがあることを紹介。
ワークショップ後のフォローは、職場でのランチ会やその他の集まりを定期的に行ったらどうかと提案しました。
相談についての対応は、今は「傾聴」スキルを使って聞いているそうです。
相談内容は、深刻なものではなく、聞いてあげるだけでもかなりの部分が解決するようなものがほとんどということでした。
それなら、カウンセリングの勉強は別途するとしても、状況に応じて適切なアドバイスができることが大切なのではないかと考えました。
そこで、参考図書として
錦戸かおり(2009)働く女性が35歳の壁を乗り越えるためのヒント
を推薦しました。
この本は、著者の錦戸かおりさんが実際に相談にのってきた事例集です。
仕事と育児の両立に特化した内容はごく一部ですが、職場内での人間関係や仕事の内容に関するものなど、たいていの女性の悩みはカバーされていますので、頭に入れておけば実際の相談のときに相談者の気持ちを理解しやすくなると思います。
(3)は、提案の反対者は今はいないとのこと。
ただ、当事者以外の一般の社員への周知は別の手段で考える必要があり、継続して検討していくとのことでした。
Tさんは、一泊の研修の疲れもみせず、この研修にかける熱い思いを語ってくれました。こちらもこれまでの実績を駆使してさまざまな角度からの助言をしました。約1時間、密度の濃い時間をすごすことができました。
(続きます)
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