「育休後社員が活躍する組織作り」と題して講演しました #wmjp

育休後コンサル

8月23日に、第5回女性活躍推進ネットワークセミナー「育児休業前後の取組み」(テンプスタッフラーニング株式会社)にて、「育休後社員が活躍する組織作り」というタイトルで講演しました。

まず、企業の事例として、東京電力株式会社様、株式会社NTTデータ様の取組みの紹介がありました。

東京電力では、まず両立支援施策の充実が先行し、「休む支援」の傾向が強かったということです。今後は均等施策を充実させ、「働く支援」への移行を図っていきたいとのことでした。

休むことに重点が置かれ、非常に充実している従来の両立支援策。しかし本当に働きがいを求めている社員にとっては、長く休むことより柔軟に働けるほうが役に立つはずです。時短でなくフルタイム勤務をしやすくするため、フレックス対象職場でなくても特別フレックス勤務が取れるようにした(単身赴任者も対象)という事例が印象的でした。

NTTデータでは、他社ではあまり例をみないユニークな取組みにチャレンジされているのが印象的でした。例えば、パパセミナー、全部長向け意識改革研修、夏休みのキッズワークショップなどです。4コマ漫画を取り入れるなど、楽しさを感じさせるアイディアが活動の推進に効果を上げているように見受けられました。

両社とも、出産前後の社員とのコミュニケーションを支援するためのマニュアルを作成していました。育児休業前後の取組みをこれから行おうとする組織は、ここからスタートするのがよいかもしれません。マニュアルを作っていく過程で、順を追って必要なサポートについて整理することができますし、おすすめです。

私の講演「育休後社員が活躍する組織作り」では、育休後社員が活躍する、とはそもそもどういう状態のことを言うのか、そしてそのためにはどうしたらよいのか、というお話しを中心にいたしました。

育休後社員が活躍している組織は次の3つが成り立っていることだと考えました。
1.育休後(産休のみも含む)復職できること。
→本人に復職の可否について一切の不安を与えないことが重要。
2.能力を生かせる仕事を任されること。
→育休前と仕事を変える場合は必ず本人とよく相談してから。
3.存在が周りから認められること。
→育休前と変わらず、チームのメンバーとして周りから頼りにされ認められること。

また、育休後社員を次の4つのタイプに分け、それぞれが活躍するために注意すべきポイントを述べました。
・バリキャリ:万全の保育体制を整え、出産前と変わらず成果を出そうとするタイプ。
・意欲<期待:出産をきっかけに仕事をセーブしようと考えるタイプ。
・意欲>期待:復職後、希望に反した仕事に変えられ不満、不安を抱えているタイプ
・マイペース:仕事の負荷や責任が比較的軽く、意欲もあまり高くないタイプ

重要なのは、それぞれのタイプに応じて、将来に目を向けさせることです。

子育ては渦中にあるとほかのことを考えることがほとんどできなくなりますが、それがずっと続くわけではありません。
少し先の目標を管理職と共有することで、今はこうだけれど、将来はここを目指しているんだ、ということが互いに明確になり、管理職は長い目で本人を見守ることができますし、本人も将来への漠然とした不安が少なくなると考えます。

育休後社員一人ひとりの状況を把握した上で、その人を信頼して仕事を任せること。組織の一員として迎えること。それが本人のやる気を引き出し、活躍させるのではないでしょうか。

最後のセッションではあらかじめ決められた中からテーマを選んで、グループ毎に情報交換していただきました。
育休取得者を抱える職場の周りの社員への対応について、関心が高かったようです。

大変重要な問題で、かつ解決のためにはいくつかのアプローチが必要だと思います。この問題については別の機会に見解を述べるつもりです。

セミナーに参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

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