職業がその人を超えるとき

地震関連の報道の中で心を揺さぶるのは、地震発生時やその後の支援活動でのプロフェッショナルの方々の行動です。
今朝は、常磐線に乗っているとき津波の発生を知り、乗客を全員降車させ、高台に無事避難させた二人の警察官の会見をテレビで見ました。横倒しになりバラバラになった電車の車両の写真を見た方が多いと思いますが、あの電車に乗っていた人たちが助かっていたのです。あと少し判断が遅れていたら助からなかっただろうと言っていました。
ほかにも、
・最後まで半鐘をならし続けた地元の消防団員
・防災無線で最後まで住民に避難を呼びかけた自治体職員
・家族と共に遠くに避難した後、一人で被災地に戻り住民への支援を再開している医師や弁護士たち
この方たちは、「自分は警察官だから」「自分は医師だから」というように自分の職業を判断のよりどころとして、自分の行動を決めてきたのだと思います。
一番最初にそのことに注目したのは、保育園で大きな揺れの時には子どもたちを守りたい一心で行動した保育士が、仕事を終えて一人になったら少しの揺れでもこわい、とtwitterでつぶやいていたのを目にした時でした。
職業(社会の中での自分の役割といってもいいかもしれません)が与えられていることで、人間は自分が想像もしていなかった力が出せるのだ、とあらためて思いました。
一度そういう経験をすると、次からはその力を出せた自信が素の自分を大きくする。そして次の機会には、さらに素を上回る力が職業(仕事)を通じてわき上がってくる。仕事が人を大きくするということばは、きっとこういう循環の中から出てきたのでしょう。
何万人もの職業人、プロフェッショナルの活躍で、きっと私たちはこの災害から立ち直れるだろう、という希望がわいてきました。そして自分自身もその一端になりたいと強く思っています。

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