(Q)
育児休業から復職した部下のブランクが気になります。また短時間勤務(時短)では職場にいない時間が生じます。どう支援すればよいでしょうか。
(A)
育児休業を取得したことによるブランクや時短による時間の制約は当然あるもので、周囲のサポートが必要です。ブランクを埋めるための情報のインプット、時短勤務を支える体制作りをしましょう。
元のペースに戻すための準備期間を設けましょう
育休からの復職者は、仕事に慣れるまでに準備期間が必要です。
子どもの病気で当初から休みが多くなることを想定し、最長1ヶ月程度を準備期間とします。
本人と周囲が意識して、この期間に必要な準備を終えるようにしましょう。
上司であるあなたからは次のような項目について伝えましょう。
・会社の経営方針、ビジョンなど(最新版)
・人事異動、組織体制の変更、業務分掌の変更など
・就業規則の変更(両立支援制度は特に)など
・業務に関係する法律、条例、社内規則の変更など
また、職場として次のような項目についてサポートしましょう。
・IT環境を準備すること
(意外に慣れるのに時間がかかるのが、業務で使うアプリケーション(◯◯管理システムなど)やパソコンソフトのバージョンアップによるインタフェースの変更です。メールを書く、資料を作る、といった作業がすぐにできるように情報システム部門のサポート担当者や同僚の協力も得られるよう支援しましょう。)
時短社員には制約のある中で最大限の力を発揮してもらいましょう
時短で職場にいない時間帯については、本人と周囲の連携でカバーします。
本人の経験、能力に見合った仕事をきちんと用意し、力を発揮してほしいという期待を伝えます。
時短で働いている人(長時間労働→残業0の人も)は、自分の働きぶりが周りからどう見えるのかを常に気にしています。
頑張って取り組んでいる部下には「よくやっていますね、それでいいですよ」と明示的にフィードバックしましょう。
定例の会議は開催時間を時短社員にできる限り合わせます。
無理な場合は時短社員が出勤してきたときに情報をもれなく伝えてください(メモ、口頭、メールなどで)。
時短社員には、同僚や上司との情報共有(紙/電子データ/その他)、メールの共有、仕事の進捗状況の共有を徹底させます。
その上で、引継ぎが不十分だとか、子どもの熱などで休むと周囲がサポートできないような仕事のやり方をする部下にはきちんと注意をします。
仕事の種類や裁量の大きさによっては、在宅勤務をさせることが本人にも周囲にもプラスになります。
会社で在宅勤務を導入している場合は積極的に使わせてみましょう。
上司であるあなたの旗振りで、組織全体の無駄をなくし、過剰品質をなくし、工夫して乗り切りましょう。