育児経験はライフキャリアの“財産”!~子育てを通して広がったキャリア観、高まったビジネススキルを話してみよう~
2025年8月3日、オンラインで開催されたイベント「育児経験はライフキャリアの“財産”!」に、育休後カフェ®のファシリテーターの一人として参加しました。
子育てとキャリアの交差点に立つ私たちが、それぞれの経験を持ち寄り、対話を通して新たな視点を得る、大変意義深い時間となりました。
<育休後カフェとは?>
育児が「制約」ではなく「力」になるということ
「育児中はフルに働けないから戦力にならない」
「ブランクがあるからキャリアがとどこおる」
そんな言葉を、私たちはこれまで何度も耳にしてきました。けれども、本当にそうでしょうか?
育児を通じて得た視点やスキルは、むしろキャリアを広げ、仕事の質を高める貴重な財産になり得る。
そんな想いを共有し合ったのが、今回のイベントでした。
ファシリテーターの経験から見えてきた「育児の力」
第1部では、育休後カフェ・ファシリテーターたちが、自身の育児経験と、それが仕事にどう生きたかについて語りました。
– 「受援力(まわりの人に助けを求め、それを受け入れる力)が身についた」
– 「子どもが生まれてはじめて、仕事への向き合い方を真剣に考えた」
– 「上司も巻き込んで仕事の効率化を達成できた」
– 「子育てはマネジメントのプレ体験になっている」
など、育児によって得た経験や気づきが、ビジネススキルへと転換されている実感が、多くのエピソードからにじみ出ていました。
<育休後カフェ・ファシリテーターとは?>
ライフキャリアの財産について語れる社会へ
後半では、仕事と育児を両立することのよさを、どのように社会に広めていくかについて議論しました。
SNSの雰囲気にも象徴されるように、ネガティブな意見のほうが発信しやすい傾向があります。
「仕事も育児も両立できていることをポジティブに語ると、自慢しているように思われるのでは」と感じてしまう人も少なくありません。
そんな中で出た意見は、「かっこつけずに、いいことも大変なことも含めて“ありのまま”を語るのがよいのではないか」というものでした。
また、どんな場で話すかによって、伝え方を工夫することも大切だという意見もありました。
そして何より、仕事と育児の両立の喜びや楽しさ、そして辛さも含めて遠慮なく話せる安心・安全な場として、育休後カフェ®の存在意義を改めて確認することができました。
参加して感じたこと(私の視点)
私の場合、育児経験はライフキャリアの“財産”どころか、キャリアそのものを変える原動力になりました。
1994年、育休制度が施行されて間もない時期に育休を取得しましたが、当時は取得する人もまだ少なく、前例もありませんでした。
そして復職後10年余りが経過した頃、育休から復帰した人がキャリアと育児を両立するための働き方や、そういった社員を支えるマネジメントのノウハウが、世の中にほとんど存在しないことに気づきました。
それは個人の問題にとどまらず、社会全体の課題であると感じ、「育休後コンサルタント®」という新たな役割を立ち上げたのです。
この育児経験が、私にとってのミッションを生み出し、セミナーや研修、本の執筆など、さまざまな活動へとつながっていきました。
IT技術者としてのキャリアをそのまま続けていたほうが社会の役に立っていたかどうかは、正直わかりません。
ただ、4年前から偶然にもIT技術者としての経験が生かせる社会人教育プロジェクトに参画することとなり、育児経験を含むこれまでのすべての経験が、現在の社会との関わりの中で生きていると感じています。
最後に
育児経験は、キャリアを止める「空白」ではなく、むしろその後をより豊かにする「種」になる。
そんな気づきを分かち合えるこのイベントに参加できたことに、心から感謝しています。
育休後カフェは、これからも育児と仕事の“リアル”を語り合える対話の場として、皆さんの一歩を応援していきます。
そして、「育休後カフェ」という、自分の想いを素直に語れる安心・安全な対話の場を支える「育休後カフェ・ファシリテーター」にも、興味を持っていただけたらうれしく思います。
★「育休後カフェ®」は登録商標です(登録商標第5814305号)
★「育休後コンサルタント®」は登録商標です(登録商標第5814304号)