「フィンランドと日本の育児休業制度」9/24 育休後カフェ勉強会実施報告

5月から月1回のペースで開催してきた「育休後カフェ」に学びの要素を追加した「育休後カフェ勉強会」の一回目を実施しました。

目次

開催概要

日時:2011年9月24日(土)10:00-12:00
場所:勉強カフェ田町ラーニングスタジオ
テーマ:フィンランドと日本の育児休業制度
ゲスト:ヴァイニオ・アンナさん
フィンランド留学生は見た! 日本のパパたちの育児ライフ
ファシリテーター:育休後コンサルタント 山口理栄
参加者:9名(女性8名、男性1名)(新規7名、リピーター2名)

アジェンダ

10:00ー10:10 参加者の自己紹介
10:10ー10:40 フィンランドと日本の育児休業制度(講師:アンナさん)
10:40ー11:00 Q & A                             
11:00ー11:30 ディスカッション
11:30ー11:45 フリートーク
11:45ー12:00 感想、アンケート記入

ゲストのプロフィール

ヴァイニオ・アンナ、1984年生まれ
学士(英語言語学)テゥルク大学 2008年
修士(アジア研究、日本社会・経済・政治)2008年―
他の課程:環境維持開発;EUの歴史とシステム;日本語
東海大学で1年間日本語を勉強していました

フィンランドと日本の育児休業制度

アウトライン

  • 自己紹介
  • 論文のテーマ
  • フィンランドの子育て支援サービス
  • 「私の研究の中心は日本の制度や法律は比較的にいいものですが、どうして出産率は日本の方が低いですか。」
    「では、日本の出産率は低い理由は3つだとおもいます。」
    1. 育児休暇はとりにくい(男性・女性にとって理由は違います)
    2. 労働文化や会社の労働環境
    3. 保育園が不足です
    「この3つのものはお互いに結んでいます。この点でフィンランドと違います。」
  • 女性のキャリア

配布資料

参考資料1

2009年のPISA(国際学習到達度調査)でフィンランドが読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーで再び上位に – フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース.
ウィキペディア:OECD生徒の学習到達度調査

参考資料2

男女共同参画白書 平成23年度版 第1-1-16表 HDI, GII, GGIにおける日本の順位

聴講メモ

  • 製紙業の労働組合が非常に強い発言権を持っている。
  • 製紙業で働くのは男性が多く、賃金も高い。
  • 正社員に登用されるかどうかの微妙な時期に会社に妊娠を報告せず、登用が決まってから報告するといったことが現実にはある。
  • 企業にとってこれから子どもを産む人よりもすでに子どもを産んでいる人を採用するほうが安心。
  • アンナさんが子どものとき保育ママ(隣の家)に預けられていて、毎日お迎えが最後だったため寂しい想いをしていたが、実際には父親は毎日17時に迎えに来ていた。
  • 保育園で小学生も預かってくれる。幼児とは預かるスペースが分かれている。
  • 保育ママで小2ぐらいまでの子どもを預かってくれる。
  • 学校と保育園のマネージャーはパワー(裁量か発言権か両方か)を持っている。
  • 男性が育休を取ると異動になるなど待遇面で不利益になることがたまにある。
  • 国会議員が平均45才と若い。
  • 育休を、母6ヶ月+父6ヶ月+両方(いずれか?)6ヶ月の計18ヶ月にするという案が議論されている。

Q&A

Q:貯蓄についてどう考えているか。
A:教育費が無料なので教育費のための貯蓄という考え方はない。消費税は28%と高い。高校は教科書が有料で高く、人からもらったりすることもある。
Q:子どもは塾にいくか。
A:塾には行かない。家庭教師は人気がある。
Q:子どもは習い事をしている?
A:スポーツなど人気。週5〜6回通っている子もいる。
Q:フィンランドの何才以上の人が古い考え方を持っている?
A:何才というのははっきりしない。学生時代は男女の区別する人はほとんどいないが仕事を始めると別々という考え方になる。友人は子どもが産まれて初めて夫の古い考え方に気づいた。夫は子どもの世話をするが家事をしないという。自分の父は古いと思う。
Q:政治家に女性は多い?
A:大臣の3割が女性。15年前は政治家に高齢の人が多かったが今年の選挙で若返った。
Q:就職は男女関係ないか。結婚、出産で仕事を辞める人はいるか。
A:普通は辞めない。SAK(フィンランド労働組合中央組織)が強いせいかも。政府にも人が出ている。

感想

参加した方からは、こんな感想をいただきました。

  • アンナさんの話はもちろん、参加者の方々の実体験や悩みを聞いて視野が広がり、非常に勉強になった。
  • 自分達(日本)の悩みや環境を客観的に見るのはとてもいいと感じた。
  • とても勉強になったし楽しかった!ゲストが若い外国人の方というのは新鮮。
  • ちょうどフィンランドの保育制度について勉強していて興味があったのですごく良かった。
  • 意外と日本と共通項が多いことに驚いた。残業が少ないということが両立しやすい大きな理由だと思った。
  • 参加者の実体験の話が非常に興味深かった。形だけ整えて、内容が不十分に感じるシステムが問題だと思った。

参加してくださった皆さん、どうもありがとうございました。

勉強カフェ利用案内

終了後には、田町LSのマネージャーの櫻井さんに、勉強カフェの利用案内と見学ツアーをしていただきました。また利用したいと思います。

ランチ

アンナさん含めて8名ほどが参加し、フィンランドの話に花がさきました。皆さんお疲れさまでした。

参考サイト

育休後カフェ|育休後コンサルタント.com
勉強カフェ|勉強する大人が集まるソーシャルプラットフォーム
勉強カフェを作った社長のブログ

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