2013年に発行された「さあ、育休後からはじめよう 〜働くママへの応援歌〜」の改訂版が2016年5月16日に発行されました。
この本を書いた背景
2010年から始めた育休後コンサルタントの仕事の中で、たくさんの働くママたちと出会いました。
会う人はみな、それぞれの職場であまり前例もないまま、仕事と育児の両立に悩んでおり、胸が痛みました。
ものすごくがんばっているのに、これでいいのかどうか、常に不安。
ワーク・ライフ・バランスと言われても、どこでバランスを取ったらよいのか自分でもわからない。
そんなママたちに、自分の経験もふまえて、よりどころとなる考え方を提示したいと考えて書いた本でした。
初版の帯にはこう印刷されています。
甘えを捨てよう
自分の年齢から10を引こう
子育てで助けてもらった借りは次の世代に返そう
子どもに「ママみたいな働く人になりたい」と言わせよう
そして、自分の人生を切り開いていこう
改訂版の帯には、
そして、自分の人生を切り開いていこう (注:さあ、育休後からはじめよう、に続けて読んでください)
職場復帰のバイブルに
と入れていただきました。
内容はこんな感じ
この本の内容は、以下の通りです。
1章 育休後社員の悩み
2章 出産前後の就業継続
3章 妊娠中、産休、育休の過ごし方
4章 育休後の職場復帰(子育て編)
5章 育休後の職場復帰(仕事編)
6章 会社による育休後社員のサポートのあり方
7章 育休後からのキャリアアップ
8章 育休後社員を支える社会のあり方
1章には、各地で開催している育休後カフェ®がどのように始まり、どんな効果があったのかを書きました。
育休後カフェ®の参加者に、終了後の感想を聞くと
「子育てしながらキャリアアップを考えてもいいんだ、ということがわかってうれしかった」
という人がめずらしくないことに衝撃を受けました。
「子育てしながら働けるだけでありがたいと思え」
という、どこからともなくやってきた思い込みにしばられている人が、まだまだ多いという現実に気づいたのです。
この人たちの「前に進みたい気持ち」を、なんとしてでも支えなければ、という思いが強くなっていました。
その思いを、5章 育休後の職場復帰(仕事編)と7章 育休後からのキャリアアップにこめました。
そして、職場で支える人たちのために具体的な方法を6章 会社による育休後社員のサポートのあり方 に書きました。
企業の人事の方に、ぜひこの章を読んでいただきたいです。
この本には、関連する法律も掲載しました。
条文を巻末に載せたほか、随所に制度の主旨や注意点をコラムとして載せています。
特定社会保険労務士の新田香織さんが執筆してくださいました。
改訂版で追加したところ
改訂版では、おもに下記の項目を追加しました。
・「育休世代のジレンマ」とこの3年間の取組み」(1章)
2014年に発行された、中野円佳さんの書かれた
「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)
は、仕事と育児の両立の難しさを読み解く上で大きなブレークスルーとも言うべき本でした。
この本のインパクトを含め、過去3年間の育休後の働き方に関する企業や社会の大きな変化についてまとめました。
・資生堂ショック(5章)
2015年11月のテレビニュースでの紹介をきっかけとしたこの話題について言及しました。
・マタニティハラスメント(6章)
管理職が注意すべき項目として記載しました。
・女性活躍推進法(2章、6章)
法律の概要説明を新田さんに追加していただき、条文を巻末に載せました。
こんな方におすすめ
・妊娠中の方とそのパートナー
・産前産後休業、育児休業中の方とそのパートナー
・育休から復帰して働いている方とそのパートナー
・将来子どもを持つことを考えている方
・人事・ダイバーシティ推進部署の担当者
・育児中の社員を部下に持っている管理職の方
また、初版はこんな使い方をしていただいています。
・同僚、部下、知人への出産祝いや、職場復帰祝い
・育休後職場復帰セミナーのテキスト、教材、副読本
一人でも多くの方に手に取っていただき、自分の進むべき道をさがすお手伝いができたらうれしく思います。
★ネット書店で在庫切れの場合は、出版元である労働調査会のサイト(下記)からご注文ください。
http://www.chosakai.co.jp/publications/15682/