「ワーク・ライフ・バランスの新しい課題」聴講報告

東京大学社会科学研究所ワーク・ライフ・バランス推進・研究プロジェクト成果報告会 〜ワークライフバランスの新しい課題〜 を聴講しましたので報告いたします。
(第1部の第2分科会の内容に焦点をあててご報告いたします。)

<概要>
日時:2011年7月4日(月)13:30 – 17:45
場所:東京大学弥生キャンパス弥生講堂一条ホール(東京都文京区)
主催:東京大学社会科学研究所
詳細:https://wlb.iss.u-tokyo.ac.jp/activities_j.html#menu05
第1部 分科会 13:30〜15:30

<第2分科会:「短時間勤務の導入と仕事管理・人事管理」>
タイトル:真のワーク・ライフ・バランス実現のための 短時間勤務の導入と新たな人材マネジメント
発表者:三菱UFJリサーチ&コンサルティング 矢島洋子、根本直樹

目次:
Ⅰ WLBと経営戦略
Ⅱ 現在の人材マネジメントの潮流
Ⅲ 短時間正社員制度運用上の課題
主旨:
・ワークライフバランスは経営戦略とリンクしてこそ意味がある。
・経営環境の変化によって組織・人事のあり方が変わってきているのにもかかわらず、企業の人材マネジメントがそれに追いついていない。
・短時間正社員制度で起きているさまざまな問題(仕事内容・質に対して評価が低いことなど)は、人材マネジメントの問題点に起因しており、たまたま短時間正社員のところでそれが顕在化しているにすぎない。
・これをきっかけに、人材育成、評価方法などを多様な人材に適応できる形で再構築する必要がある。

感想:
・最近気になっていた短時間勤務制度で働く人の問題点について、その原因の一端を理解できて大変有意義だった。
・通常勤務者について、男性正社員も含めてキャリアパスが定義されていないことがそもそもの問題であることはわかった。しかし、これからキャリアパスを定義しましょう、ということになっても、今短時間勤務をしている社員をこのままにしておくわけにはいかず、そこをどうして行くかが問題。そこまではこのセッションでは議論されなかった。
・今現在短時間勤務で働いている社員や、これから復職して短時間勤務で働こうとする社員に対しては、こういった問題があることを理解した上で、自分の職場では実際に短時間勤務を取った場合の仕事内容、仕事量、評価、給与/賞与の算定基準、今後のキャリアパスなどについて、会社側に確認するように伝えたい。
・グループディスカッションでさまざまな組織の方と議論してとても参考になった。
・全体で50名ぐらいの方が参加していたが皆さんにはぜひ長期的な取組みと同時に、現在直面している社員への対応をお願いしたいと思った。今悩んでいる人を、すぐ下の世代が見ている。出産したら仕事は続けられないと思うか、子どもはあきらめようと思うか、それとも何とか両方できそうだと思うかは、今回参加した人事やダイバーシティ担当の方が今やれることを行動に移すかどうかにかかっている。皆さん、できることから始めましょう!
第Ⅱ部 分科会及び調査研究の報告 15:45〜17:45
(報告を省略)
なお、短時間正社員制度についての便利サイトについて、矢島洋子さんからご紹介がありました。
短時間正社員制度 導入支援ナビ
情報量が多く、これから導入しようとしている会社や、これから短時間勤務をしようと考えている方にはかなり参考になりそうです。一度ご覧になってみてください。

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