財政の専門家である著者が、2年間にわたりスウェーデンで生活した経験を元に、どんな社会なのかを生活者の視点で教えてくれる本です。全部で100ページの冊子なので、読みやすいです。

スウェーデンの子育て事情は、日本と比べてどうなのでしょう。例えば、こんな例がでていました。

  • 児童手当に所得制限がない
  • 保育所の待機児童はいない
  • 子どもが8歳までに両親合わせて480日の休暇がとれ、うち390日は8割の賃金が支給される。片方の親が全部の休暇を取るのではなく、もう一方の親が最低60日以上とらなければその分の権利が失われる。
  • 夏になるとラッシュアワーが午後4時過ぎ。日が長いため、夕方から家族で湖に遊びにいく。
  • 子供の誕生会が盛んで、お父さんがゲームを主導したりする。
  • 女性は公共部門で働く人が多く、民間企業の上級管理職は少ない。一方で女性の大臣や議員の割合は高いし、パートタイム従事者の権利は保障されている。
  • ・・・

高い税金と、充実した公共サービス。スウェーデンは、税負担の少ない日本の対極にあるようです。

どちらがよい、という話ではありませんが、少なくとも、スウェーデンは、人々が安心して暮らせる社会を築いているように感じました。背景には、国民の政府に対する信頼度の高さがあるようです。日本では反対が強くて実現していない納税者番号制がスウェーデンでは実現していて、そのIDは本人確認手段として民間にも広く使われているということ。管理する側に対する、国民の信頼が不可欠な制度です。

今の日本の社会は、世界中のどの国も経験したことがない急速な少子高齢化を経験しています。これに順応していくには、税金の集め方、使い方をこれまでの常識にとらわれずもう一度考え直して行く必要があります。スウェーデンを含めた他国の実態を参考にし、日本人の感覚に合ったワークライフバランス国家の実現を期待したいと思います。

(このエントリは、2009年3月28日にはてなブログ プロフェッショナルへの道 に書いたものを加筆、修正したものです。)

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