SOFTWARE JAPAN 2011 ITダイバーシティフォーラム報告と産後4か月間の母親の孤立

育休後コンサル

SOTWARE JAPAN 2011と産後の母親の孤立なんて、こじつけだろうと思うかもしれませんが、どうか最後までお読みください。

まず、2011年2月3日に開催された、SOFTWARE JAPAN 2011 サイバー・フィジカル・システム −クラウドに組み込まれる実世界ーの中の、ITフォーラムセッション「ITダイバーシティフォーラム」にて「講演4」を担当しましたので報告します。

日時:2011年2月3日(木)15:45〜17:45
会場:タワーホール船堀@東京都江戸川区 2F平安
主催:一般財団法人情報処理学会

ITダイバーシティフォーラムのテーマ:女性たちが知恵と力を育むコミュニティ活動

司会:山本里枝子氏((株)富士通研究所ソフトウェア&ソリューション研究所部長)

プログラム:
<講演-1>
「日本で開催された最近の国際的女性ネットワーク会合」
ーAPEC女性リーダーズネットワーク会合とAPEC女性起業家サミット
國井 秀子 (リコーITソリューションズ株式会社 取締役会長執行役員/
2010 APEC WLN会合実行委員会副委員長)
APEC JAPAN 2010|2010年日本APEC公式ホームページ

<講演-2>
「企業・職種の枠を超えたネットワーキングー日本女性技術者フォーラム(JWEF)」
森  茂子 (日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア開発研究所課長
ソフトウェア・アーキテクト/JWEF運営委員)
JWEF―日本女性技術者フォーラム

<講演-3>
「J−Win(ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワーク)の活動紹介」
松山 科子 (ソニー株式会社 システム技術研究所総括課長、シニアリサーチャー)
J-Win | ダイバーシティ・マネジメントを支援するNPO法人

<講演-4>
「育児休業後のキャリアを支えるネットワーク」
山口 理栄 (育休後コンサルタント)

[2011/2/17追記:講演-4の資料をご希望の方に配布しています。下記のページからご請求ください。]
資料請求フォーム

今回のSOFTWARE JAPAN 2011はサイバー・フィジカル・システムがテーマであり、メインセッションでは日本のソフトウェア産業がこの領域でどのような貢献ができるのかについて議論が行われました。

一方、ITフォーラムセッションでは直接このテーマと関係しないものも含めた複数のフォーラムが企画され、ITダイバーシティフォーラム(フォーラム代表者:安信 千津子氏、(株)日立製作所)はその中の一つとして開催されました。

ITダイバーシティフォーラムは2006年9月に設立され、会議開催は今回で5回目です。

今回のテーマは、「女性たちが知恵と力を育むコミュニティ活動」でした。
講演を依頼されたとき、すでに他の講演者の方たちが、グローバルなコミュニティ、国内の技術者コミュニティ、日本のダイバーシティ・マネジメントのコミュニティについてお話をされることがだいたい決まっていたので、それらとは重ならない、身近なコミュニティについて取り上げることにしました。

タイトルを「育児休業後のキャリアを支えるネットワーク」とし、2010年3月ごろから関わり始めていた、twitterをきっかけとして始まったイベント企画の様子を、事例としてご紹介することにしました。

Twitterでの呼びかけで集まった約10名の働く親たちが、ある本の著者を招いた交流会の開催を最終目標とし、その過程でtwitter上での「ワークライフバランス・カフェ」を運営する様子などを、たくさんのtweetを紹介しながら追っていく形で説明しました。
参考:迷走する両立支援ー著者と読者の交流会
ワークライフバランス・カフェ スタッフ日誌

伝えたかったのは、自分を支えるネットワーク、コミュニティは、身近なところにありますよ、ということでした。twitterを例に説明しましたが、インターネット上でなくても、同じ保育園に通う親同士でも、地域で知り合った親同士でも何でもいいのです。自分が合うネットワークを使って、居心地のよいコミュニティを見つけてほしい、と訴えました。

実は、ITダイバーシティフォーラムという場でtwitterの事例を紹介することについて多少の違和感を感じており、それは講演後にも残っていました。しかし、その違和感が払拭された出来事が翌日の2月4日起きました。それはNHKで放映された特報首都圏(首都圏での放映)です。
参考:NHK特報首都圏 ”産後4か月間” 母親の”孤立”を救え!(2月4日放送) のツダりと、放送にまつわるママ達からの反響をまとめました

その番組では、産後に孤立する母親がtwitterを使ってリアルタイムで他の母親とつながる様子が映し出されていました。「授乳なう」「ダッコオアクライ」などの言葉で互いの存在を感じるツイママたち。オフ会を開いてリアルな友達への発展も見られます。

ここで紹介されたのは産後の母親を支えるネットワークとしてのtwitterであり、私の講演「育児休業後のキャリアを支えるネットワーク」と通じるものがありました。放送を見て、講演の主旨は時流をとらえたものであり、間違っていなかったのだ、と安堵しました。

さらにもう一つ、この番組とSOFTWARE JAPAN 2011との間での不思議な偶然がありました。

番組の最後では、母親が孤立から脱するための3か条は、
1.遠慮しない
2.「みんな不安」と知る
3.まわりは「声かけ」を
と紹介されました。

一方、SOFTWARE JAPAN 2011で「大量センサデータから、社会の問題を解決するサイエンスが生まれる」というタイトルで招待講演を行った(株)日立製作所の矢野和男氏は、よりよいチームワークのためには、従来のホウレンソウ(報告、連絡、相談)に加えて

マツタケ(巻き込む、つながる、助け合う)

が大事であると提言されたそうです。
これを聞いたとき、産後の母親を救うための3か条とよく似ていることに驚きました。

まさに、巻き込む、つながる、助け合うのマツタケ精神で、産後のママたちに手を差し伸べて、孤立から脱出するきっかけにしてもらわなければなりません。こんなふうにSOFTWARE JAPAN 2011と母親の孤立がつながるとは思ってもみませんでした。

なお、大変ありがたいことに、「育児休業後のキャリアを支えるネットワーク」を聴講した方の紹介で同じ内容の講演を別の場所で、という依頼が来ました。よりブラッシュアップしてお届けするつもりです。

聴講してくださった方、応援してくださった方、どうもありがとうございました。

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