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両立支援制度はあるけど運用がうまくいっていない、というとき、「運用」は何を指してる?

両立支援制度はあるけど、運用がうまくいっていないから、せっかく育休取って職場復帰してきても活躍できない、というような言い方を、よくしますよね。

この文脈で使われている「運用」の意味をよく考えたことがありますか。何気なく使っているけれど、じゃあうまくいっている運用って何ですか、と聞かれたときに答えられるでしょうか。

いろいろ考えられる中で、ここでは二つ上げたいと思います
一つは、職場全体への周知。
もう一つは、上司と本人とのコミュニケーションです。

職場全体への周知

ある企業で働く若手の女性に、こういう質問を受けました。

「うちの会社のダイバーシティの取組みは進んでいるのでしょうか」

たまたま、その会社は育休後職場復帰セミナーを実施した会社だったので、本格的に取り組んでおり、先進的ですよ、と伝えました。

彼女は安心した様子でしたが、会社の中にいてそういう気配を感じることは、これまでなかったそうです。

女性の場合、まだ子どもがいなくても、結婚すらしていなくても、この会社だと続けられないのではないか、という思いにとらわれて、仕事が手につかなくなったり、辞めてしまったりするケースがあります。

会社が両立支援に積極的に取り組んでいることを伝えるべき相手は、すでに妊娠・出産した女性よりむしろ、これから親になる女性、男性や、これからそういった社員の上司となる管理職ではないでしょうか。

制度はあるけれど誰にも知られていないのでは、存在しないのと同じです。リアル&ネットを使って全社員に情報を発信しましょう。

リアルな場としては新入社員研修、中途採用者のオリエンテーション、中堅社員研修、新任管理職研修などで。

イントラネットでは、いくつもクリックしなければ見つからない場所ではなく、いつも見えている場所にバナーやボタンを置き、必要な情報を整理して載せておくことが大事です。

上司と本人とのコミュニケーション

育休後職場復帰した人が上司と面談をしたかどうかを聞くと、かなりの人がした、と言います。
ところが、内容を聞いてみると、顔合わせだけだった、形式的なものだった、というように、中味がともなっていない場合があるようです。

職場復帰した社員は、子育ての負担を感じながら不安な気持ちでいっぱいです。

一方の上司は、この人はどれだけ働けるのだろうか、という疑問を持ち続けたまま、あまり無理をさせてはいけないし、かといって周りの社員にも負担をかけたくないし、と心の中でいつも葛藤しています。

そんな状況の中で、本人も会社も納得できる働き方を見つけるためには、率直に互いの立場を相手に示し、現実的な解を探っていく以外に道はありません。
そのためには、上司と本人との間の、本質的なコミュニケーションが必要になってきます。

一般に、本人にとって一番優先度の高い制約事項は

・子どもを預かってもらえる時間

また、会社にとって一番気になるのは

・短時間勤務制度(時短)を使う期間
・時間外労働やシフト勤務が可能になる時期

ではないでしょうか。
そこで、このコラムでは、時間制限への対応という点にしぼって、コミュニケーションの内容を詳しく見ていきます。

上司はまず、本人が持っている時間的な制約条件(保育時間、通勤時間、送り迎えのサポートなど)について、詳しく聞いてみましょう。

何時ごろ家を出て、何時に会社に着くのか。
夕方は何時に離席すると何時に保育園に着き、いつ家に着くのか。

細かすぎると言われそうですが、育児との両立をしている社員のことを考えるとき、会社にいる時間のことだけを見ていても、その社員の働き方についての相談にのることは不可能です。
社員もむしろ、自分がこうしたい、という働き方について説明するために不可欠ですから、「よくぞ聞いてくれました」という態度ですすんで教えてくれると思います。

こういったやりとりをしながら、時短の必要性の有無を客観的に検証したり、家族の協力体制について把握しておいたりすることで、本人の力を最大限に発揮できるような仕事のアサインを考えることができます。

時短の必要性を検証する、というと、時短の利用に許可は必要ない、と思われるかもしれませんが、なにも、許可する/しないという意味で検証するのではありません。

時短を使わなくてもやっていくことは可能だが、「制度があるから」という理由で時短を続けている人(例えば17時には家に帰りついている、など)に対して、

「時短をやめて通常勤務に戻したら、こういう仕事をぜひ任せたいと考えているんだけど、どうかな?」

という提案をするためです。
これにより本人に「期待している」というメッセージを伝えることができます。
上からの押しつけではなく、本人が自分で、時短を早目に切り上げるという選択肢に気づくことが可能なのです。

また、本人にとっても時間の制約内容を具体的に開示することで、

「勤務時間の開始・終了時刻を5分、10分程度ずらすことで時短を取らずにすむので認めてほしい」
「在宅勤務の対象者にしてほしい」
「半日の有給休暇の取得回数の制限をなくしてほしい」

といったような要望を出しやすくなります。

こういったやりとりがないままに職場復帰してしまった社員に対しては、年に2回程度行われている目標管理面談の場を有効活用し、あらためて「時間制限」について確認する機会をもっていただきたいと思います。

関連情報:
育休後職場復帰の方へ:職場復帰面談シートを使いましょう

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